成功とは結果ではなく、行動を楽しむこと
「市内で『古事記』の紙芝居をやりましょう」
そう決まってから、私は焦りの中にいました。
会場を予約し、チラシを刷り上げた時点で、開催日まで残された時間はわずか1か月。
企画者である私は、とにかくチラシを持って街中を駆け回ることにしました。
車を持っていないため、移動はすべて電車とバス。
仕事終わりや休日を利用し、市民センターをはじめ、チラシを置いてくれそうな施設を一つひとつ巡りました。
ただ行って帰るだけでは勿体ないので、道中に見つけた近くの神社へ立ち寄り、写真を撮って開設したばかりのSNSに投稿することにしました。
「古事記」と「神社」は深い繋がりがあります。
写真をアップし続ければ、興味を持ってくれる人に届くかもしれない。そんな淡い期待も込めていました。
子どもたちにも見てほしくて学童保育などにも足を運びました。
「面白そうですね!」と関心を示してくれる人の温かい反応に、何度も背中を押されました。
棒読みの練習と、ゼロのままの予約
開催の1週間前、メンバーが集まって合同練習を行いました。
スライドを切り替えながら、日本の誕生から神武天皇の即位(東征)までの物語を交代で読んでいきます。
紙芝居なんて誰も経験がありません。
全員見事なまでの「棒読み」でした。
ちなみに私はスライド担当だったので、読む恥ずかしさを回避できて少しホッとしていたのは秘密です。
しかし、現実は甘くありませんでした。
参加無料のイベントにもかかわらず、開催直前になっても事前申し込みは「ゼロ」。
「一人も来なかったらどうしよう」
来なかったら来なかったで自分たちで楽しもう。
仲間たちはそう言ってくれましたがさすがにそれは申し訳ない。
疎遠になっていた知人に連絡してみるなど、集客の抜け洩れを埋め、自分の出来る範囲で活動を続けました。
そして、胸の奥がキュッと締め付けられるような焦りを抱えたまま、当日を迎えることになりました。
当日の小さな奇跡と、仲間の活躍
結果から言えば、事前予約による来場者は「ゼロ」でした。
ですが、物語はそこで終わりませんでした。
練習に参加できず見学だけに来ていた仲間が、併設されている図書館に来ていた人たちに直接チラシ配ってくれたのです。
そのおかげで、開演時間直前に2人のお客さまが会場に入ってきてくれました。
自ら動いて客を呼び込み、受付から観客としての参加まで見事に果たしてくれた彼のおかげで紙芝居は無事、開演を迎えたのです。
私個人としては集客面で反省点が山ほどありました。
それでも、イベントが終わったとき、観客として来ていた彼も含めて一体感が高まりグループの全員が「やってよかった」と満足感に満ちた笑顔を浮かべていました。
行動のプロセスの中にしか「喜び」はない
もし私に未来を予知できる能力があって、「当日は飛び込みの2人しか来ない」とあらかじめ分かっていたとしたらどうでしょう?
きっと「どうせ2人しか来ないなら」と、あの1か月間の集客活動を何もしなかったはずです。
でも、もしそうしていたら、私は何の喜びも感じずに終わっていたでしょう。
バスを乗り継いで街を歩いたこと。
道中で神社を見つけてSNSに載せたこと。
学童で温かい言葉をもらったこと。
仲間と集まって棒読みの練習をしたこと。
そして当日の思いがけないドラマ――。
結果(成果)だけを見れば、「大成功」とは言えないかもしれません。
けれど、未来がどうなるか分からない中で試行錯誤し、そのプロセス自体を工夫して楽しんだあの時間こそが、私にとっての「成功」だったのだと気づきました。
成果はコントロールできなくても、行動を楽しむことは自分次第でできます。
これからも私は、結果の数字に怯えることなく、その途中の過程を思いきり楽しんでいきたいと思います。
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「結果だけでなく、その途中で得たものにも目を向ける」という考え方がとても大切だと感じました。
思うような結果にならなくても、動いたからこそ見えたことが、次につながっていくんだろうなと思います。
マジすかふるかわさん。すきや